NAO
―間違え―


―駅―


たくさんの人が行き交う中人目を気にしながら一人の人を待つ――。


「真澄ちゃんかな?」


一人の男性に声をかけられる。


「佐々木です…」


50代くらいのおじさん。


「じゃあホテルいこうか?条件は五万円だよね?」


「……は、い…」


私は聞こえないくらいの声で返事をした。


佐々木というおじさんは慣れてるのか、さっと私をタクシーに乗せホテルへと向かう。


タクシーの中は無言だった。



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