NAO
―優しさという痛み―
次の日からもいつもと変わらず学校へ行く。
教室までの階段で先生とすれ違う――…。
「おーッ!長瀬おはよう」
「………」
私は無言で通り過ぎる。
ねぇ?先生――…。
どうして先生はそんな普通でいられるの?
私は先生の心もプライドさえも何もかも傷つけたんだよ―――。
私は自分のやってしまった事の後悔や恥ずかしさ色々な気持ちが入り交じって先生の顔すら見れないの。
通り過ぎたあと一瞬振り返った。
ずっとその場にたったままの先生は下を向いてすごくすごく悲しい顔でたってたの…。
先生、お願い。
お願いだからそんな顔しないで――。
――…今の私には何事もなかったかのように接してくれるそんな先生の優しささえ今は痛いよ――…。
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