NAO


あれからも相変わらず先生は「長瀬」「長瀬」と声をかけては気にかけてくれていた――。


私が昼食をとらないでいるとパンとミルクティーをくれるんだ――…。


――…そういえばいつの日だろう?
先生にたのまれた日誌を私が持っていってあげた時
「何本でもおごってやる」って言ってたな…。
そんな日もあった。
あの頃はまだ素直に話す事ができていたのにね…――。



「ま〜す〜み〜♪何ぼーっとしてんの」


あゆみと麻衣が腕を組みながら立っている。


私はまだ窓の外をぼーっと見ている…。


「いいのかな〜そんな態度とって〜」


麻衣が不気味な笑顔であおってくる。




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