NAO


私は誰かに後ろから抱きしめられ耳元で聞き覚えのある声がする――…。


「大丈夫か?」


優しくて優しくて――…。

私の求めていた声――。


「な、なんだね、君は!!」

「彼女の担任の眞木といいます。」


「たっ、担任…?」


「はい。偶然通りかかったら彼女が手をひっぱられてココに入っていくのがみえましたので。」


先生は私をぎゅっと抱きしめたまま冷静で丁寧な口調だ。


「いや、そ、その、その娘が誘ってきたんだよ〜アハハ〜」


おじさんは後ずさりしながら
「き、君!!」
私を指差し
「こんな事ダメだよ〜じゃ、じゃあ失礼するよ」


おじさんは去っていき先生に抱きしめられたままホテルのフロントに私達二人は残された――…。




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