NAO
下校時間からけっこう時間がたっているだけあってほとんど生徒はいない―――。
「あっ!!なおやんだ〜♪」
声がする方を見てみると俺のクラスの土田と桜庭だった。
最近長瀬とは一緒にいないんだな――…。
「おぅ!お前らか〜寄り道か〜?早く帰るんだぞ〜」
「わかってるよ〜♪先生こそ何してるの?待ち合わせとか!?アハハ〜」
「デートとか!?」
土田が腕にからみつき興味津々に聞いてくる。
「はぁ〜。んなわけないだろ。ほらッ早く帰る!」
「――…帰ったって楽しくないもん…。」
土田の声とは思えないくらい弱々しい声だった。
「んっ?」
俺は思わず聞き返したが…
「あっ!あゆみ!!電車もうすぐくるよ!」
桜庭の声でかきけされてしまった。
「本当だ!!じゃあ、なおやん帰るね」
「バイバイ♪また明日〜」
二人は走っていった。
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