[短]翼を、ください。ー切なく甘いイブの夜を君とー
「分かった。」



「ん………ジュ……ン………」



唇がまた熱くなって、角度を変えて何度もジュンは私にキスをした。



だんだん深くなって、私が少し間を開けるとジュンがそっと温かい舌を入れる。



それは柔らかく優しく私の舌を絡めとる。



こんなにも苦しくて、甘くて、優しいキスがあるんだろうか。



こんなにも幸せな瞬間があるのだろうか。



私は幸せな涙をまた一筋流した。



唇が優しく離れるとジュンは言った。



「今夜は、月が綺麗だね。きっと今夜なら、月が俺達を隠してくれるよ。」



その言葉の意味を理解するのに、そう時間はいらなかった。



「うん。月が、隠してくれる。」



ジュンは優しく私をベッドに倒した。



「……神様に怒られちゃう。」



「さっき自分が月が隠してくれるって言ったのに。」



「フフッ。それもそうだよね。」



彼の唇がまた重なる。



それだけでこんなにもジュンが愛しいと感じる。



涙が出るほどに、彼を愛してるんだ。



そして私達はその日初めて



お互いの温もりを感じて眠った。



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