[短]翼を、ください。ー切なく甘いイブの夜を君とー
***


「本当に、行かなきゃ。」



「うん、分かってる。」



あれからしばらくたってまだ夜が明けない時間。



ねぇ、どうしたらいい?ジュン。



私、涙が止まらないよ。



辛くて胸が張り裂けそうだよ。



私が唇をかんで上をみあげると彼は微笑んで



「大丈夫。永遠のお別れじゃないから。」



私をギュッと抱き締めて言った。



見ると彼の目も涙でいっぱいだった。



分かってたもの。もうすぐ別れだってことも、



辛いってことも。



だから、最後は笑わなくちゃ、ダメじゃん。



今から神様にジュンはこっぴどく叱られるんだもの今ぐらい笑わなきゃ。



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