巨人
 コンビニから持ってきたパンを黙々と柿雄は食べていた。

 茎雄は缶コーヒーを飲みながら辺りを警戒していた。

 巨人はどこに隠れているのか。ネットの情報も色々だった。

 その中でも最有力なのが高層な建物の屋上だった。

 特に夜なら、屋上に行く者も少ないので、巨人は見つかりにくい。

「あれ?」

 柿雄はパンを食べるのをやめた。

「どうした?」

「耳が痛い……」

 柿雄は両手で耳をふさいだ。

「大丈夫か?」
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