巨人
 一時間が経過した。

「あれ?」

 柿雄は顔だけ起き上がった。

 人だかりができていた。

「大丈夫ですか?」

 と、田丸刑事は言った。

「まあ、何とか……」

「茎雄さんから聞きました。あなたは正義の味方ってことをです。ああ、茎雄さんも大丈夫です」

「どこに?」

「病院に行きましたが、命に別状はないそうです」

「それよりも、巨人はどうなりました?」

「記憶にないんですか」

「ない」
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