巨人
「キスだけで巨人を倒したって意味不明だな」

「まあ、巨人が死んだので、東京も平和になるでしょう」

「そりゃ、よか……」

 柿雄は急に吐き気をもよおし、両手で口をふさいだ。

「大丈夫ですか?」

 柿雄は返事がなく、うつ伏せで動かなくなった。

 田丸刑事は状況を見守っていた。

「どうした、大丈夫か?」

 柿雄は口を大きく開けた。

「苦しい……」

 と、柿雄はつぶやいて、口の中から卵を吐き出した。

「何なんだ!」

 田丸刑事は異常な事態を目の当たりにした。
< 47 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop