その結婚、取扱い注意!
第1章
クリスマスパーティー
「ふんふんふん~ふんふんふん~」
ケーキ生地が入ったボウルを小脇に抱えてかき混ぜていると、湊があくびをしながら現れた。
「湊、おはよ~」
「おはよ。朝っぱらからテンション高いな」
スマートに濃紺のスーツを着こなしている湊だけど、昨晩は忘年会に参加して午前様。そのせいで切れ長の目はまだ眠そう。
「大丈夫? 疲れているんじゃない? 座ってて、今お味噌汁とごはん用意するから」
「おう」
ボウルを作業台に置いて、温まっているお味噌汁とご飯をよそうとテーブルに持っていく。
「ケーキ作ってるの?」
「あ、うん。今日はイブでしょ。美人堂に持っていこうと思って」
結婚してからふたりだけでコースディナーに出かけクリスマスの雰囲気を味わっていたが、今回は美里ママからのお誘いもあり、『美人堂』のクリスマスパーティーに出ることになっていた。
「え? 今日ってイブだったか?」
「今日は24日だよ?」
「あ! ごめん! ミミ!」
「どうしたの?」
「取引先の忘年会を入れられたんだった」
「そんなぁ……」
「ごめん。部長命令で。すっかり忘れていた」
私は大げさにため息をついてみせる。仕事なら仕方ない。もちろんそんなことはわかっている。でも、すっかり忘れて話してくれなかった湊に罰を与えたくて頬を膨らせた。
ケーキ生地が入ったボウルを小脇に抱えてかき混ぜていると、湊があくびをしながら現れた。
「湊、おはよ~」
「おはよ。朝っぱらからテンション高いな」
スマートに濃紺のスーツを着こなしている湊だけど、昨晩は忘年会に参加して午前様。そのせいで切れ長の目はまだ眠そう。
「大丈夫? 疲れているんじゃない? 座ってて、今お味噌汁とごはん用意するから」
「おう」
ボウルを作業台に置いて、温まっているお味噌汁とご飯をよそうとテーブルに持っていく。
「ケーキ作ってるの?」
「あ、うん。今日はイブでしょ。美人堂に持っていこうと思って」
結婚してからふたりだけでコースディナーに出かけクリスマスの雰囲気を味わっていたが、今回は美里ママからのお誘いもあり、『美人堂』のクリスマスパーティーに出ることになっていた。
「え? 今日ってイブだったか?」
「今日は24日だよ?」
「あ! ごめん! ミミ!」
「どうしたの?」
「取引先の忘年会を入れられたんだった」
「そんなぁ……」
「ごめん。部長命令で。すっかり忘れていた」
私は大げさにため息をついてみせる。仕事なら仕方ない。もちろんそんなことはわかっている。でも、すっかり忘れて話してくれなかった湊に罰を与えたくて頬を膨らせた。