その結婚、取扱い注意！
「あーっ！　田代ぶちょー」

突然、久我さんが目を覚まし、田代部長に気づくと顔に満面の笑みを浮かべて叫ぶ。
それからよろりと立ち上がり、田代部長に手を広げて抱きつく。

「どーしているんれすかー」

ろれつが回らなくて、甘えている久我さんが可愛いと思ってしまう。
菊池さんも羨ましそうに見ていた。


田代部長と久我さんが帰ってから私たちもお開きにして、自宅に着いたのが２２時。
湊はまだ帰っていなかった。

いつも終電だもんね。

田代部長と久我さんの仲のよいところを見たせいか、湊のいない部屋がやけに寂しく感じる。

「早く帰って来ないかな」

小さくため息を吐くとドサッとソファに座った。

湊が帰ってきたのはやっぱり終電だった。

まだリビングにいた私は玄関の開く音に気づいた。帰ってくるのをずっと待っていたから、玄関の鍵が静かに回る音にも気づいたのだ。

「お帰りなさい」
「ただいま」

玄関に出迎える私に湊は少し驚いたように目を開く。

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