その結婚、取扱い注意!
「林のケガで二進も三進もいかなくなった。本田君の挙式が間近だと言うこともよくわかっているんだが、君にぜひ行ってほしいんだ」
「えっ? 私が修学旅行の添乗ですか?」
「ああ。君なら私たちの誰よりもロンドンに詳しい。おそらく林よりスムーズに生徒たちを誘導できるだろう。挙式の日が近くなければ君に行ってほしいと思っていたところだったんだが、花嫁を疲れさせるわけにはいかないと断念していたんだ。しかし、緊急事態でね。どうかご主人に話してみてもらえないか?」

挙式が近くなかったら私が引率していたんだ……。

ずっと手がけていた仕事だから、最後までやってみたい。

「主人に話してみます」
「よろしく頼むよ」
「はい」

田代部長に頭を下げると会議室を出た。


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