その結婚、取扱い注意!
「やけに揚げ物を頼むなと思っていたけどな。ま、いいんじゃないか? 最近油っこいもの食べていなかったしな。いただきます」

湊はそうフォローしてくれると、チーズポテトを頬張った。

私も一番に食べたかった鳥の軟骨揚げを口にして満足の笑みを漏らす。

「ミミは食べ物を食べている時が一番いい顔するよな」
「えっ? そんなことないよ」

まるで私が食いしん坊のようにからかわれている。

「あぁ、あの時もそそられるいい顔してるか」
「あの時って……?」
「ミミはそういう所、鈍いよな。セックスの最中に決まってるだろ」

いきなりエロい言葉にビールジョッキを持つ手が止まる。

「湊っ、こんなところでそんなこと言わないでっ!」
「誰も聞いてないって――」

湊の言葉が止まり、視線をたどり私の斜め後ろを見ると、店員の若い女の子が顔を真っ赤にして立っていた。

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