その結婚、取扱い注意!
美里ママの対面のソファに腰を落とした湊は、缶ビールのブルトップを開けてゴクゴク喉を鳴らして一気に飲んでいる。

美里ママも抱えていた木彫りの像をテーブルの上に置くと、缶を開けて口にした。

「なんだよ。その像は」
「あら、これはねー魔除けの像よ。寝室に置くと子宝に恵まれるらしいわ。現地の人に勧められたのよーミミちゃん、これで赤ちゃんが授かるわ」
「こんなのが寝室にあったらムードが壊れる」
「そんなことないよ。美里ママ、ありがとうございます」
「ミミちゃんは喜んでくれると思っていたわー。あ、あとはありきたりだけどチョコレートとカシューナッツね」

湊はチョコレートの箱を開けて、一つ口にする。

文句を言わずに食べる湊にホッとした。

遅い時間と言うこともあって、美里ママは20分ほどすると帰って行った。



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