その結婚、取扱い注意!
ブリーフケースをソファの上に置いた湊がキッチンの中へ入ってくる。

マカロニサラダを混ぜているところへ、腰に腕が回された。

背後から湊に抱きつかれている状態で、びっくりする。

「どうしたの?」

湊の唇が首筋に下りてくる。

「どうしたんだろうな。明日からミミがいないと思うと寂しいのかも」
「私も寂しいよ。でも、8日間なんてあっという間だからね」

湊の腕の中で身体を回し向き合う。

優しい瞳に胸を突かれて、湊の胸に頬をつける。
額にそっと口づけられ、身体が離された。

「着替えてくるよ」
「うん。今日は湊の大好きな肉じゃがだからね」

出て行こうとする背中に向かって言うと、湊は軽く手を振って部屋に消えた。

添乗を引き受けてしまって、今になって後悔している。

私が一番大事なのは仕事じゃなくて、湊なのに……。

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