その結婚、取扱い注意!
「大丈夫か?」
「は、はい……」

心臓が不規則に乱れはじめ、冷や汗が出てきた。

湊……どうしよう……。

「この便で今晩経てば結婚式前日に成田空港へ到着する」

田代部長はスマホで便を探してくれたようで、私に映し出された画面を見せる。

「でも……」

結婚式に穴を開けるわけにはいかない……だけど、ここでひとり帰ってしまったら……。
湊……どうすればいいの?

躊躇するものの、私の心は結婚式が大事だと言っている。

泣きそうになると田代部長は私の肩を優しく叩く。

「小林、この便の予約を頼む。本田君、教頭には話してある。あとは俺達でも大丈夫だから。君はご主人に理由を話しなさい。今日本は夕方だ」

そばに居た小林主任に田代部長は指示すると、腕時計で時間を確認し湊にかけるように勧める。

< 130 / 155 >

この作品をシェア

pagetop