その結婚、取扱い注意!
カウンターでチケットを受け取り、チェックインすると今まで気が急いていた気持ちがフッと抜け、足に力が入らなくなる。

その場でへなへなと座り込みそうになりふらついてしまうと、ジェイソンに腕を支えられた。

『大丈夫かい?』
『……うん。ホッとしたら急に力が入らなくなっちゃった』

ジェイソンは中途半端な格好の私を立ち上がらせる。

『無理もないよな。仕事で疲れている上にトラブルに見舞われたんだから。でも飛行機に乗れば大丈夫。向こうでミナトが出迎えてくれるよ』
『湊が?』
『会うまでは心配で落ち着かないんだろう。さ、行こう』


ジェイソンは出国審査入口まで付き合ってくれた。

『ジェイソン、ありがとう』
『式の写真、送ってくれよな。ふたりの幸せな姿が見たいから』

ジェイソンは茶目っ気たっぷりに言うと、私の頬に唇を寄せハグをする。

『うん。じゃあね。もう一度言わせて。ジェイソン、ありがとう』

私はジェイソンに微笑むと、手を振ってドアへ向かった。

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