その結婚、取扱い注意!
「俺を愛人にしてよ。女とセックスしたいんだ」

ムッとして赤裸々なことをさらっと言う彼のすねを蹴る。

「いてっ!」
「セクハラで訴えてやるからねっ!」

こういう奴に甘い顔をしてはいけない。からかわれているのかもしれないけれど、そんな冗談に付き合ってられない。

他の席では笑い声がたえず、盛り上がっているよう。

やっぱり湊と一緒じゃないと楽しめない。帰ろうかな。

連絡が入っていないかバッグからスマホを取り出す。

「連絡先教えてくれるの?」
「そんなわけないでしょ!」

キーッと怒りをぶつけてスマホを見ていると、彼もポケットからスマホを出して耳にあてた。

「わかってるよ。すぐに行く」

電話がかかってきたようだ。仏頂面で返事をしている。

「呼び出しくらった。じゃ行くよ。またね。ミミちゃん」

スマホをポケットに戻しながら彼は出て行った。

「なんなのよ。あの男はっ。もうっ、食べよ」

立ち上がって料理のあるテーブルに行き、お皿に好きなものを乗せているときららさんが来た。

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