その結婚、取扱い注意!
「まだ泣いてんのか? これからウエディングドレスを着るんだぞ? 不細工に見えても良いのか?」

まだ泣く私を湊は優しく茶化す。

「ぶ、不細工っ……は、いや……」

助手席に座ると手に持たされたハンカチで涙を拭く。涙を拭く私を見て湊は笑うと車を発進させた。

「ミミの支度が整い次第、式を挙げるからな。おそらく1時間遅れぐらいで済むと思う」
「出席者に申し訳ないな……」
「親族を除いてほとんどが二次会のメンバーだから問題ないさ」

ありがたいことに東京へ向かう高速道路は空いていた。


結婚式が行われるホテルのエントランスに車が着けられると、出迎えていたウエディングスタッフに誘導されて、ホテルの一室に入る。

「手早くシャワーを浴びてくださいね。外でお待ちしています」

女性スタッフは部屋を出て行った。

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