その結婚、取扱い注意!
シャワーを浴び、用意されていたワンピースに着替え2階のメイク室に向かう。
そこから瞬く間に支度が進められていった。

私は人形のようにスタッフたちにメイクやウエディングドレスを着つけられていった。

最後の仕上げ、パールとビジューのリボンカチューシャをアップした髪に着けられていると、松下さんが姿を見せた。

水色の膝丈のワンピースとグレーのクラッチバッグ。ピンヒールは同じグレーでいつもながらセレブ感たっぷりで素敵だ。

「大変だったわね。お疲れ様」
「松下さん……」
「とてもキレイよ。湊はまた惚れ直すわね」
「ありがとうございます」

緊張しているせいか引きつった笑顔になっているかもしれない。

「修学旅行生は無事に飛行機に乗ったそうよ。到着は16時の予定。だから安心しろと田代部長からの伝言よ。その足で二次会に出席すると言っていたわ」
「よかった……」
「そうそうその笑顔よ。ちょっと前まで引きつっていたものね。じゃあ、チャペルでね」

松下さんが部屋から出て行った。




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