その結婚、取扱い注意!
黒留袖を着たお母さんとシンプルなロイヤルブルーのパンツスーツを着た義母が入ってきた。

「まったく美海ったら、人騒がせね」

お母さんは呆れながら叱る。

「ごめんなさい……」
「仕事ですもの。仕方ないわ。焦ったけれど無事に戻って来られて良かったわ」

そう言うのは義母。
化粧品会社で今もバリバリのキャリアウーマンだからさすがに話が分かる。

「美海ちゃん、キレイよ。この日を待ち焦がれていたわ。おめでとう」

義母の言葉で気持ちがすーっと楽になった。

「花嫁様、お時間でございます」

ホワイトローズと淡いグリーンの葉で包まれたブーケを持たされ、部屋を出ると男性スタッフに案内されてエレベーターに向かう。

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