その結婚、取扱い注意!

愛する人と

チャペルは眺望抜群の30階にある。
海辺の明るい光や解放感のあるチャペルを一目見てここで挙げたいと思ったのだ。

肩を出したウエディングドレスは空気感たっぷりのチュールスカートがふんだんに使われ、ふんわりと優しい雰囲気を醸し出している。

チャペルのある階にエレベーターが到着すると、私の緊張感はこれ以上ないくらい高まり眩暈を覚えた。

「どうぞ」

男性スタッフは真っ白な手袋の手でドアを押さえ私を促す。

一歩踏み出す足も震えていた。

エレベーターを降りただけで足が自分のものでないような感覚を覚え、表情がこわばる。

緊張しすぎだよ……。

その時、「ミミ」と呼ばれた。

純白のタキシードに身を包んだ湊だった。

< 143 / 155 >

この作品をシェア

pagetop