その結婚、取扱い注意!
******

消毒薬の匂いが鼻につき、ビクッと身体を震わせ目を開けた。

「ミミ!」

湊の顔が目に入り、今の自分がどうしてなのか考える。

「私……あっ!」

ドアに向かっている最中に足に力が入らなくなって倒れちゃったんだ。

「気分は?」

しまった!と、顔を顰める私に湊は優しく聞いてくる。

「大丈夫。ここは病院?」

視線を湊から外すと、無機質なまっ白い壁と天井。

「ああ」
「倒れちゃってごめんなさい……」
「いや、俺こそ気づかず情けないよ。今検査結果待ちだ」
「倒れてどのくらい経ってる?」
「小一時間だよ」

そこへドアがノックされて、医師と看護師が入ってきた。

< 150 / 155 >

この作品をシェア

pagetop