その結婚、取扱い注意!
「大事な時期ですから、数日は安静に」

医師は看護師に何か指示すると部屋を出て行った。

「自宅に戻られても大丈夫ですよ。先生の言うとおり、安静になさってくださいね」

看護師さんの言葉が耳に入らないくらい、私は喜びで舞い上がっていた。


「ただいまー」

久しぶりの我が家にやはりホッとする。
ホテルには戻らずに、病院からそのまま自宅に戻ってきた。

「俺がやるから、ミミは座ってろよ」

なぜか牛丼が食べたくなって、途中でテイクアウトしてきた。
食べ始めると妊娠の嬉しさからか、しっかり平らげる私を見て湊は喜んでくれる。

「疲れただろ? シャワー済ませて早く寝た方がいい」
「うん。湊……あのね」
「ん?」

披露宴や二次会の写真が次から次へと送られてくるデータを見ていた湊は、スマホをテーブルに置いて私を見る。

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