その結婚、取扱い注意!
錠剤の風邪薬の瓶と体温計を手にすると、キッチンに入りコップにミネラルウォーターを注ぐ。

戻ってくると、上着を持ったまま湊はソファに背を預けて目を閉じていた。

辛いのかな……。

「湊、薬飲んで」

隣に腰を掛ける。

怠そうに目を開けた湊にコップを渡し、それから錠剤を3錠取り出す。

「サンキュウ」
「大丈夫? 熱測った方がいいみたい」
「そうかな? じゃ、測って」
「測ってって……子供みたい」

そう言うと、口元に笑みが浮かぶのを見て私はホッとする。

ワイシャツのボタンを外し、わきの下に体温計を入れて測る。

ピッ!と測れたことを知らせる音が聞こえて、体温計を取り出す。

「湊、37.5度あるよ。このまま寝た方がいいよ」
「大丈夫だよ。シャワー浴びてくる。タバコの臭いが付いていて気持ち悪いんだ」
「本当に大丈夫?」
「そんなに心配なら一緒に入って監視する?」
「そ、そんなことしませんっ! もうっ、早く入ってきて」

結婚3年目だけど、一緒に入るのはいつになっても慣れない。


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