その結婚、取扱い注意!
お鍋のご飯がぐつぐつ音をたてて煮えてきた頃、湊がネクタイをしめながら現れた。

ネクタイを外す仕草も好きだけど、しめるのも好きな私はその間見入ってしまう。

「朝食はなに?」
「あ、おかゆ。食べやすいと思って」
「ああ。サンキュ。食欲はあまりないからちょうど良かった」

お礼を言ってくれる旦那さまっていいと思う。幼なじみの湊がこんなにいい旦那様になるなんて思ってもみなかったな。

テーブルにおかゆと梅干、昆布、しゃけ、肉みそ(これは湊の好物)を出す。

「いただきます」

食べ始める湊に満足して、テーブルに風邪薬とお水の入ったコップを置く。

「食べないのか? ああ、クリスマスプレゼントが見たいのか」

椅子に座らない私を見て湊が笑う。

クリスマスツリーの下の大きな箱が気になる。

なんだろう……?

「見てきていい?」
「ああ。いいよ」

湊の了解をもらい、クリスマスツリーに向かいその場で開け始める。

「子供みたいだな。ミミは小さい頃から変わらない」
「はいはい。子供でけっこうです。プレゼントってワクワクするんだから」

包装紙のテープをはがしながら、湊の笑いを聞き流す。

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