その結婚、取扱い注意!
箱の中身は外国の有名なブランドの黒のムートンブーツだった。

サイドにボタンが付いており、シンプル過ぎずに可愛い。

とても暖かそうで活躍するに違いない。

さっそく足を入れて、湊の元へ行く。

「湊! ありがとう! すごく可愛い」
「そうか? 喜んでもらえて良かった。でもそれだけじゃないんだけど。どっちかって言うと、ブーツがサブでメインは……」

湊がクリスマスツリーに残された四角い箱に視線を動かす。

その隣には私が用意した湊へのクリスマスプレゼントがある。

「えっ!?」

開けてみると、ペンダントトップに花を模ったルビーのネックレスだった。

とてもキレイでお礼を言うのも忘れて見入っていると、玄関のインターホンが鳴った。

玄関ってことは美里ママ? 来るって言ったけれど早い気がする。

モニターで確認した湊が玄関の鍵を開けに行ってくれていた。

腰を左右に揺らすようにして入ってきた美里ママはテーブルを見て「あらっ?」というような顔になる。

「病人食じゃなぁ~い。どうしたの?」
「湊が風邪気味で」
「そうだったのぉ~」
「ずいぶん早いじゃないか」

美里ママの後ろにいた湊はさっそくの嫌味。
< 27 / 155 >

この作品をシェア

pagetop