その結婚、取扱い注意!
「使いでがありそうだが、確かに今はいらないな」

湊は彼女たちの悪のりがちゃんとわかっていて笑っている。

「そうよね~ 子づくり宣言していることだしぃ」
「ま、ありがたくもらっておくよ」
「ミミちゃんの方はステキでしょ~ 皆からはファーの手袋とマフラーよ。私からはピアス。このピアスはねぇ。留め金がすぐに外れないから落ちてなくす心配なしなのよ」

「あ、ありがとうございます。ピアスよくなくしちゃうんです」
「他のピアスにも合うから使ってみてね」
「時間だ。じゃあミミ、行ってくるよ」

腕時計で時間を確認した湊はスーツの上着を羽織る。

「あ、うん。いってらっしゃい!」
「湊ぉ~ 私、下まで送るわ~」
「遠慮しとく」
「あら、そんなこと言わないでよ~」

湊が玄関に向かうと、美里ママが追いかけて、私が玄関に行った時にはドアが閉まるところだった。

リビングに戻ると、散らばった小さな箱に入った避妊具が目に入る。

「他のプレゼントが霞んじゃうくらい衝撃的なプレゼントだね」

私は廊下のクローゼットから紙袋を出してきて、ため息をひとつ吐いてから散らばった避妊具を拾い入れた。

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