その結婚、取扱い注意!
「そうだったのか、いつも喜んでくれるものだから、つい買いたくなってね」
「美海ちゃん、だから湊が美海ちゃんと結婚するって言ったときのお父さんは飛び上がらんばかりだったのよ」

お義母さんが教えてくれる。

居心地がいい本田家。

小さい頃から接していた湊の両親は私を可愛がってくれる。

理想の義理の両親だと思う。こんなに可愛がってくれる義理の両親がいるだろうか。

今、私が着ている大島紬は義父母からのプレゼント。

ロンドンに行った年のお正月は帰って来られなかったけれど、去年は一緒にお正月を過ごし、そして今年。こうしてお正月をお祝いするのは2回目になる。

「あと、4ヶ月で結婚式ね。楽しみだわ」

4月の終わり、私たちは都内のホテルで身内と親しい友人を呼んで結婚式を挙げる予定。

なんとなく今更結婚式かぁ……と、興奮するでもなくとっても楽しみという気持ちにもならない。

湊はどう思っているのだろうか。

ウエディングドレスは着てみたいけれど、結婚3年目の私たちは初々しい新郎新婦でもない気がする。

< 31 / 155 >

この作品をシェア

pagetop