その結婚、取扱い注意!
「ただいま~」

今度は本田家の隣、私の実家へ。

玄関を開けると、賑やかな声が聞こえてきた。

ベビーカーが折りたたまれてあったから、お姉ちゃん家族が先に到着しているよう。

和室ではすでにお父さんとお義兄さん、それから本田の両親がいて、お酒を飲んでいた。

昼間っからこうして団らんできるのも、お正月ならではの光景。

「突っ立っていないで、中へ入りなさいな」

熱燗をお盆にのせたお母さんに後ろから声をかけられる。

「あ、うん」

大勢の大人で、6畳の和室がぎゅうぎゅう。

私と湊はふたりが座れるスペースに腰を下ろした。

「神社はどうだった? 私たちも後で行こうと思っているんだけど」

大地くんを膝に抱いたお姉ちゃんに聞かれる。

「混んでいるかってこと? 元旦はいつもめちゃこみ。30分以上並んじゃった」

毎年お参りに行くのだから、混んでいるのは十分承知している。けれど、やっぱり空いている時間帯に行って、並ばずにお参りをしたいだろう。

「あの神社は、元旦だけはずっと混んでいるわよね~ 湊の七五三はあそこで祈祷してもらったのよ」

お義母さんも会話に加わる。

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