その結婚、取扱い注意!
だけど胃薬は私が大嫌いな顆粒タイプ。

どんな薬でも顆粒タイプのものは飲めない。子供みたいだけど。

錠剤の胃薬は……。

更に探していると、お姉ちゃんが呆れたように口を開いた。

「何言ってるのよ、妊娠しているかもしれないのに簡単に薬を飲んじゃいけないわ」

お姉ちゃんがすかさず止める。

「妊娠? あっ!」

生理が遅れていることに今更ながら気づく。

「そう言えば生理が遅れてる。酸っぱいものばかり食べたいし。お姉ちゃん! 私、妊娠したのかなっ!?」

「すっぱいものが欲しいなんて、妊娠間違いなしじゃない?」

経験者のお姉ちゃんはサラッと答える。

「あら! 美海! 妊娠したの?」

私たちの会話に入ってきたのは、キッチンと居間を行ったり来たりしているお母さんだ。

「そうとは決まっていないけど……」

まだわからないから口ごもる。

「気持ち悪いそうよ。きっとつわりよ」

決まっていないと言っているのに、喜ぶ母にお姉ちゃんが拍車をかける。

「新年早々おめでたいわ!」
「お母さんっ、まだわからないからここだけの話にしておいてね」

今にも報告しそうな勢いに私は釘を刺す。
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