その結婚、取扱い注意!
「気分が悪いなんて知られたら男性でもすぐにわかるわよ」
「それは言わなくていいから」

そこへ湊がやってきた。

「なにを言わなくていいの?」
「湊、美海つわりかもしれないわよ」

お姉ちゃんがにっこり笑みを浮かべて報告。

「え? 妊娠?」
「そんな驚くことないでしょ?」

湊の呆気にとられた表情にお姉ちゃんが笑う。

「美海、ちょっと寝てきたら? 湊くん、お夕食までにはまだ時間があるから、美海を連れて2階で休んできなさいな」
「そうですね。ちょっと休ませます」

リビングを出て、ふたりで2階へ上がる。

もちろん結婚前となんら変わらない私の部屋へ。

「洋服にした方がいいんじゃないか?」
「あ、うん。でも、あっちの家にあるの」
「取って来るよ」

湊が部屋を出て行った。

ベッドの端に腰をかけて、ホーッと息をつく。

本当に妊娠しているのかな? それだったら嬉しい。

大地くんを預かった日以来、妊娠したいと思ってから、避妊はしていない。

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