その結婚、取扱い注意!
湊を睨むようにして見上げると、すかさず唇が下りてくる。

重なる唇に身体の芯が瞬く間に疼く。

「やっぱり妊娠してるのかもな。胸が少し大きくなった気がする」

それから腹部に下りてそっと撫でる手。

「大きくなったと思う?」
「ああ」
「生理も遅れていたことにさっき気づいたの。妊娠しているといいな」
「ああ。待望の赤ん坊だもんな」
「ん……」

軽く唇を食んだ湊は私から離れた。

「さてと、こんな格好だと風邪を引かせてしまうな」

そう言って湊はブラジャーとワンピースを私に着せはじめる。

恥ずかしいけれど、人形のように着せられながら、湊を見つめていた。

口元に笑みを浮かべている湊。

「まだ気持ち悪いんだろう? 少し横になれば?」
「湊は?」

私は布団の中に身体を滑らす。

「下で飲んでくるかな」
「えっ、行っちゃうの?」
「ん? 寂しいのか?」

ベッドに横になったところで、湊がベッドに腰を下ろす。

「一緒にいてほしいの」

私は上目づかいで湊を見てから、腕を強引に引っ張った。

「うわっ!」

引っ張られた湊は、私を何とか飛び越えて隣に転がる。

「まったく、ミミの上に倒れたら危ないだろう?」
「まだ運動神経は健在だね」
「今の振動、下で変な誤解されていなければいいな」
「あ……も、もう寝る!」

私はお布団を頭までかけて目を閉じた。

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