その結婚、取扱い注意!
赤ちゃん、いなかった……。
想像妊娠だったわけで……。

切実に欲しいと思っていたから気持ちが沈む。

私の肩に手を置いていた湊。その手が優しくポンポンと撫でるように叩く。

「落ち込むなよ。出来ていなかったっていうだけで、出来ないわけじゃないんだ」
「ん……」

そう励ます湊だって内心がっかりしているはず。

両親たちだって……。

皆のがっかりする顔が思い浮かぶ。

ロビーに行き、ソファに座らされる。

「会計が終わったら薬局によって帰ろう。夕食は俺がおかゆを作ってやるよ」
「おかゆ?」
「ああ。荒れている胃にはおかゆが一番だろ」

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