その結婚、取扱い注意!
『これは上からの命令だから大丈夫なのよ』
「え?」
『明日、渋谷支店の新年会があるんだけど、田代部長から美海も誘うように言われたの』
結婚で苗字が本田になったのを機に、久我さんは私を美海(みみ)と呼ぶようになった。
「新年会? でも、いいのかな? 私なんかが参加しても」
『いいじゃない? 田代部長の命令だし。むしろ参加してくれなきゃ私が怒られそう』
「う~ん、でも……」
『久しぶりに飲んで楽しみましょうよ』
久我さんのその言葉で私は新年会に参加することにした。
その夜、19時過ぎに湊が帰ってくると、夕食を食べながら明日の新年会に誘われたことを話した。
湊は楽しんでこいよと言ってくれた。
だけど、私が田代部長の名前を出したことから「ふ~ん、その田代部長ってどんな奴?」って、じと目で見られる。
「どんな奴って、営業企画部の以前私をその部署に誘ってくれた上司だけど?」
「上司だったのはわかってるし。そう言うんじゃなくて――」
「あーっ! 湊っ、もしかして妬いてくれているの?」
「あたりまえだろ。会社を辞めてから2年以上経っているのに新年会に誘うようにいうのはなにかあるとみて間違いない」
妬いていることをさらっと認めた湊は渋い顔でひとり頷く。
「なにもないと思うけどな」
湊に妬かれる幸せを感じながら、顔をニヤつかせないように真面目な顔で言った。
「迎えに行くから、途中連絡入れろよな」
「はい!」
結局、その言葉に嬉しさがこみ上げて笑顔で返事をすると、湊も笑ってくれた。
「え?」
『明日、渋谷支店の新年会があるんだけど、田代部長から美海も誘うように言われたの』
結婚で苗字が本田になったのを機に、久我さんは私を美海(みみ)と呼ぶようになった。
「新年会? でも、いいのかな? 私なんかが参加しても」
『いいじゃない? 田代部長の命令だし。むしろ参加してくれなきゃ私が怒られそう』
「う~ん、でも……」
『久しぶりに飲んで楽しみましょうよ』
久我さんのその言葉で私は新年会に参加することにした。
その夜、19時過ぎに湊が帰ってくると、夕食を食べながら明日の新年会に誘われたことを話した。
湊は楽しんでこいよと言ってくれた。
だけど、私が田代部長の名前を出したことから「ふ~ん、その田代部長ってどんな奴?」って、じと目で見られる。
「どんな奴って、営業企画部の以前私をその部署に誘ってくれた上司だけど?」
「上司だったのはわかってるし。そう言うんじゃなくて――」
「あーっ! 湊っ、もしかして妬いてくれているの?」
「あたりまえだろ。会社を辞めてから2年以上経っているのに新年会に誘うようにいうのはなにかあるとみて間違いない」
妬いていることをさらっと認めた湊は渋い顔でひとり頷く。
「なにもないと思うけどな」
湊に妬かれる幸せを感じながら、顔をニヤつかせないように真面目な顔で言った。
「迎えに行くから、途中連絡入れろよな」
「はい!」
結局、その言葉に嬉しさがこみ上げて笑顔で返事をすると、湊も笑ってくれた。