その結婚、取扱い注意!
「若くないのっ、あなたこそ若いんじゃない?」
「俺、23だけど、君は同じくらいじゃないの?」

現在私は27才。童顔に見られるのはまだ健在なのね。

「もっと上です。ホストには興味ないので失礼します」

彼の横を通り過ぎ、ようやく狭い階段の下へ到着。

「ホストには興味なくて、おかまには興味あるんだー」

背後からまだ声をかけてくるけれど、私は無視をして階段を上がった。

美人堂のドアを開けると、電飾より明るい声でお出迎え。

「いらっしゃいませ~~~~~」
「こんばんは」
「あらっ! ミミちゃん! 遅いじゃないのぉ~ ホストに連れて行かれたんじゃないかと心配していたところよ~」

大柄な美里ママが人を縫うようにしてやって来た。

「ホストに連れて行かれるなんてことないですよ~」

今まで一度も強引に店に連れて行かれることはなかった。そこらへんは自信がある。

今日の美人堂はソファが壁に沿うように置かれ、真ん中にテーブルを繋げて置いている。その上に美味しそうなお料理のたくさんのお皿。


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