その結婚、取扱い注意!
バスルームに行こうとすると、リビングにいる湊の大笑いが聞こえてくる。

とても楽しそうだ。
見てみたい衝動にかられたけれど、それを振り払うように思いっきり頭をプルプルと振る。

ダメダメ。美里ママの顔が見られなくなる。

私は自分に言い聞かせて、バスルームのドアを開けた。

お風呂から出ると、湊はインスタントラーメンを作っていた。

「もう見終わったの?」
「ああ。早回しして美里のところだけ見た。ま、美里もそうだけど、ちょっと見たくない番組だったな」
「見たくない番組?」
「たしかにキレイ系のオネエもいたが、美里より酷いオネエもいて吐き気をもよおした」
「そ、そうなんだ。で、美里ママが落ち込むほどだった?」
「俺が見る限りではいつもの美里だったけどな。ワニに追いかけられている時の美里の形相は……ま、明日慰めてくるよ」

ちょうどラーメンが煮えたようで、ミルクパンのままリビングにもってくる。
雑誌の上にミルクパンを置いて、湊は食べ始めた。

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