その結婚、取扱い注意!
「メリークリスマス。きららさん」

きららさんが着ているのは、雪のような純白のフリルがたくさん付いたミニドレス。

アイドルのような顔だから、良く似合う。

今日のお客様は全員お得意様。見かけたことのある顔ばかり。

美人堂の常連の久我さんと菊池さんは仕事が忙しく来られないと言っていた。年末に向けて忙しい職種だから仕方ないかと、少し残念に思う。

「湊さん来られないかもしれないんですよね? せっかく会えると思ったのにな」

隣に座ったきららさんの言葉に私は目を見張る。

きららさんも……湊が気になるの?

「あ! 私が残念なのはビジュアル的にですよ? カッコいい人がいたら嬉しいじゃないですか。湊さんがミミさんを愛しているのは、はたから見てもわかるくらいだし。決して狙ってなんかいませんよ~?」

いや、その言い訳が怪しいの。

私は「はははっ」っと、乾いた笑い声を上げた。

やっぱり湊は来ない方がいいのかも。

明菜さんが歌を歌っている。明菜って名前を付けたくらいだから歌は「二分の一の神話」声が低いから本当に明菜ちゃんみたいで上手。

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