その結婚、取扱い注意!
人に見られたくない場面に出くわしてしまった私はこのまま2人の横を通り過ぎることにしたんだけど、彼らの横に来たとき、ガシッと腕を掴まれ立ち止まる。

「えっ!?」

私の驚きを無視して、タカはきららさんの方を見る。

「きらら、俺はこういう女が好きなんだよ。おかまじゃない、本当の女が」

きららさんが傷つく言葉を吐き捨てるタカに私はふつふつと怒りを覚え――

バチン!

掴まれていない右手でタカの頬をおもいっきり叩いた。

「ミミちゃんっ!」

きららさんの驚く声がその場に響く。

「いってぇ……」

驚いたタカは頬に手をやり、私の腕は解放される。

「いくらなんでも無神経すぎるんじゃないんですか? 別れたいからって傷つけていいってことはないでしょ!」

私は怒りを面食らったように見ている男にぶつけ、その場を去った。

角を曲がると、いつもの通りに出てホッとする。

見上げると美人堂が入っている雑居ビルだった。

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