シニガミチェーンメール



綾介が目を伏せる。



なんで自殺したんだ?



そもそも、ジサツってなんだっけ…



…あぁ、自分で死ぬことか。



なんで自殺した…?



なぁ、久琉斗__



綾介の信じられる者は、



この世には居ない。



綾介は父や母、



妹を信用しておらず、



久琉斗だけが綾介の良き理解者だった。





♫ピロリロリン♫





この音にも慣れたかのように、



六人は冷静に携帯を開く中、



綾介はビクリと反応してから、



恐る恐る携帯を開く。



綾介ではない。



「…私…だ」



江野 真奈美だった。



チラッと綾介の方を見てから、



送信ボタンを押す。





♫ピロロロロン♫





綾介の携帯が鳴った。



ろくに文面を見ずに



屋良 裕理に回す。



裕理は悠に回した。



そして、悠が送ったのは、



野崎 遥。



残っているのは__



瀬田 皆子と中岡 叶。



綾介の目が見開かれ、



下唇をギュッと噛んでいる。



この三人はいつも一緒。



目立たない組に入っている三人だか、



とても仲が良かった。



それこそ、綾介と久琉斗のように。



遥にとっての地獄の選択肢__



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