シニガミチェーンメール



「…どっちに送れば…良い?」



遥が綾介らに問いかける。



「どっちを選ぶかは、野崎君次第…
僕らは口出しできない…」



裕理がボソッと



その問いに対する答えを遥に送る。



「そんな…」



今度は本人に聞いた。



「皆子、叶…
どっちを選べば、良いの…」



皆子は暗い声で、



しっかりと、遥に言った。



「っ…遥が決めることだよ」



叶は、小さな、



布のこすれるような声で



遥に囁いた。



「…っ…!私を…選んで…」



綾介はその間も、



久琉斗のことを考えている。



久琉斗の死の所為で、



周りのことが



見えないような状態にまで、



陥っている。



「どっちを…選ぶの…?」



遥が白い顔で



全員に、尋ねた。



あと、三分。



今度は綾介が、



その問いかけに答える。



「…選択肢は二つじゃね〜だろ…」



遥が目を大きく開けて、



綾介の黒い髪を見つめてから、



仲の良い二人が



握っている携帯を見つめ、



宛先を、



設定し、



送った。





♫ピロロンロン♫





瀬田 皆子の携帯が鳴った。



「はる、か…」



皆子が驚きを隠せない表情で、



遥の優しげで儚げな、



華奢な顔を見る。



「はる、かぁ…!」



叶が歯を噛み締め、



消えることを覚悟した瞬間。



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