シニガミチェーンメール



四時二十分に、



綾介は起きた。



青いカーテンから透けた月の光は



部屋の中を幻想的に



不気味に演出する。



携帯に



特に異変はなかった。



シニガミチェーンメールが始まってから



携帯にはロックをかけているので



見られてはいないだろう。



メールの音が聞こえなかったのかと



不安になり、



机の上に置いた携帯を掴み取ると



メール着信画面を開く。



受信メールが、一件。



「…っ」



しかし、そのメールの



件名は書かれていなかった。



…件名が書かれてない?



…シニガミチェーンメールじゃ…



ない…のか?



綾介はわずかの期待を込めて



その受信メールを



開いた。



_____綾介は、



そのメールを見た直後



叫びそうになるのを



堪えて



指を噛んだ。



ガリッと音がして



涙と共に、血が溢れ出た。



< 139 / 170 >

この作品をシェア

pagetop