シニガミチェーンメール



ガチャ__



二人が屋上の扉を開けた。



奥に、緑色の柵に寄りかかり、



煙草をふかす玲二が居る。



「…おい、玲二」



久琉斗が玲二に話しかける。



「なんだよ」



玲二が嘲笑うように、



綾介の方を向いて笑った。



「俺の事が心配で?
ふざけろよ、
死神なんている訳ね〜だろうが」



「一応だ」



綾介が玲二にそう言って、



同じように柵にもたれかかった。



ぐわん、とフェンスがたわむ。



適度に身体を跳ね返す



弾力が心地よい。



「…園田に謝れよ」



綾介が玲二を非難するように



ぶっきらぼうに言い放つ。



「なんで」



「女だぜ?あんな本気で
突き飛ばさなくても良いじゃねえか」



「ま、それは謝った方が良いな」



久琉斗も綾介にフォローを出す。



「…まぁ、確かにあれは
やり過ぎたと思ってる。
けど園田が真剣に信じてるのがなんか、
腹立って…
誰かに園田が踊らされてるって思って。
俺…ぶっちゃけいうけど園田が好きで、
そういうの…許せない」



「えっ、玲二って園田が好きなのか」



久琉斗が意外そうに柵を揺らした。



並んで柵にもたれているため、



綾介と玲二も揺れる。



「なら、余計謝った方が良いな」



綾介が揺れながら、



玲二に言った。



「まぁ…な。
確かに神楽の言うとおり…かもな。
でも、直で言うのは恥ずい。
神楽、スマホ持ってるか?」



「まぁ、持ってる」



綾介がポケットから携帯を取り出した。



「それで謝ってるところ、
撮ってくれねえか?じかは無理…」



「解った」



綾介が言うと、



ヒョイと久琉斗が



綾介のスマホを取り上げた。



「俺が撮ってやるよ」



「ありがと」



ピン、と高い音が鳴る。



__九分二十一秒。



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