シニガミチェーンメール



食パンを食べずに、



駅へと向かう。



幸せそうな母や



美結を見ていると、



憎しみが溢れ出しそうになる。



空は、



曇り。



自転車を駐輪場にとめて、



改札口へと歩みを進めた。



改札口に、



久琉斗の幻影が見える。



…久琉斗…お前…



死ぬのが、



怖くなかったのか…?



久琉斗が消えた今、



もう、



本当の答えはわからない。



電車へと飛び乗る。



__ガタン__ゴトン



やがて、



小さな駅につき、



綾介は降りた。



そして、かつては



二十八人の在籍していた



一年二組の教室へと、



歩いていった。



「おぅ神楽!
なんかやつれてね?」



「え…あ、うん…ほっとけ」



他クラスの友達に



声をかけられても



そっけなく受け流し、



綾介は早足で歩を進めた。



「…なんだ?雰囲気 変わったなあいつ」



男子生徒は訝しげに



綾介の後ろ姿を眺め、



自分の教室に戻った。



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