シニガミチェーンメール
二日目
「うわぁっ!?」
綾介が、
自分の声で飛び起きた。
周りをキョロキョロと見渡すが、
特に変わらぬ、綾介の部屋だ。
見れば、
デジタル時計の画面には
『3:56 23』
さっき見た悪夢が思い出される。
ムービーに映っていた死神に、
自分が消されるさま。
皆の前から消え、存在を忘れられる。
寝付こうとはしたものの、
目が冴えて眠れない。
「…シニガミチェーンメール…」
時計の画面が、
『4:4 00』
を指したが、何も起こらない。
昨日のことが、嘘のように思える。
「…夢じゃ…ねえんだよな」
綾介は目をつぶり、
玲二との思い出を繰り返した。
…頬を流れる、何か。
玲二は、
久琉斗と親友であるとともに、
綾介とも仲が良かったのだ。
見た目で誤解を招くことが
多々あったが、
心優しい友人だった。
綾介は意識を閉ざす。
いつの間にか、
また、夢の世界へと旅立った。