シニガミチェーンメール
重く扉を引くと、
教室の中にはすでに
多くのクラスメイトがいた。
「おはよ…」
「おはよう…」
いつもなら、
挨拶を言えば返事が返ってくるのが
朝の教室だが、
誰一人として返事はしなかった。
それぞれ、仲の良い友達で集まり、
不安にかられたように
ヒソヒソと声を潜め、話す。
内緒話が渦を巻き、
部屋の中を奇態な雰囲気に
染めていた。
ときどき聞こえるのは、
『今日も』
『信じられない』
『シニガミ』
というワード。
綾介が、机の上の鞄に
手をおく。
「…全員が集まったら
このゲームは始まるんだよな…」
綾介はそんな気がして、
久琉斗に向かって呟いた。
昨日だって、
全員揃ってから始まった。
綾介と久琉斗は、椅子に座る。
教室には二十七人が居る。
揃っている。
その時に。