シニガミチェーンメール
食パンを食べ終わると、
ケイタイをテーブルの上に置き、
洗面所に向かった。
水を顔に叩きつけると、
サッパリと爽やかに目が覚めた。
歯磨きと洗顔が終わったあと、
黒い詰襟服に袖を通す。
綾介は準備を手早く終わらせて、
駅まで自転車で風を切って向かった。
鞄の中は、教科書と携帯。
自転車通学はもちろん禁止だが、
露見することはない。
高校までは駅を二つ行った所で、
見つかる可能性は皆無に等しいのだ。
携帯は__
持ってきて良いことにはなっている。
授業のさまたげに
ならなければ良いのだと、
校則には載っている。
爽やかに秋の風は綾介の髪を撫で、
赤く色付いてきた木の葉を
揺すり散らす。
家から駅までは一直線の上り坂。
綾介は少し息を切らして
立ちながら自転車を漕ぎ、
久琉斗の待つ駅を目指した。
いつも通り、改札口に居るだろう。
今日はサッカー部の部活動、
あったっけ。
そんなことを考えながら、
綾介は自転車を進ませた。
やがて、綾介は駅につく。