シニガミチェーンメール
電車にグラグラと揺られながら、
綾介は頭の後ろで手を組んだ。
「なぁ、久琉斗」
「…ん?」
「明日のモルテ…多分、久留島だよな」
「…多分な。
昨日の友は今日の敵っていうし…
もともと、あの反応をみるに
みんなあまり良い思い
じゃなかっただろうし」
きっと、全員は気づくだろう。
モルテとなって存在が消えれば、
理事長の孫という肩書きは
一切合切、関係ない。
従わなくていいということ。
「…久留島か」
久留島はこのことに気づくか?
…気づかね〜だろうな…
綾介は何かを払うように首を振る。
今日 綾介が味わった、
消えることに対する恐怖は
もう二度と忘れることが
できないだろうと思う。
シニガミチェーンメールが始まった今、
死は、すぐそこにある。
二人は、それぞれの光が灯る家へ、
帰っていった。