みかん


「は~い今日はどうしたのかな~?」

先生が僕をジロジロ見る

…こいつ…噛み付いてやろうか

そう思うほど喋り方がうざかった

すると今まで僕をジロジロ見ながら雪と話をしていた先生がふと話をやめた

そして真剣な顔つきになり雪に改めて向かった

そしてしばらく黙りこんだあと突然話を切り出した

「お母さんいいですか?
これから僕が言うことは嘘でも冗談でもありません
この子は鼻に癌(がん)を持っています
治すのは大変難しく飼い主が今まで以上に世話をしなければいけません
しかもこの子は癌の進行が早く死ぬ可能性もあります
さらに他にも神経や脳への負担が大きいためこのまま衰弱していくのは間違いないでしょう
先ほどこの子の年齢を確認しましたがかなり歳をいっている様なので
免疫力の低下日頃のストレス、、、」






「もういいです!!」





医者がまだ話しているのに雪はそれを遮り僕を抱きしめた

「…この子の前でそんな話はしないでください
この子はただでさえ臆病なのにそんな話を聞いたらもっと不安になります」

「すみません。ならまたあとで話をしましょう
一応薬出しときますね」

雪は僕をかごに入れて診察室を出た



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